COMIC 評 タイトル:『アーケードゲーマー ふぶき』 著 者 :吉崎 観音(よしざき みね) 発行所 :株式会社アスキー 発売元 :株式会社アスペクト(アスペクトコミック)は、 ※初版奥付にはこちらで表記 2000年 4月 1日より 株式会社エンターブレイン(ビームコミック)に変更 発行日 :2000年 4月 6日 初版発行 本体定価:650円 出版コード:ISBN4−7572−0768−9 C0979
ふ・ふ・ふぶっきー! ふ・ふ・ふぶっきー! アーケードゲーマー ふーぶーきー 真っ白な ぱんつ に ちらっと映えるー チャンピオンマークだパックマン ・ ・ ・ ごきげんいかが? 今回ご紹介するのは、吉崎 観音 先生のコミック 「アーケードゲーマーふぶき」です。 おもしろいのよ。 かわいいのよ。 読み終えた時、なんだかほのぼのと幸せ気分になれるのね。 ゲーム好きなら、あなたも是非。(特にオールドゲーム好き) 読むしか! 吉崎 観音。よしざきみね。知らない方は、まず「よしざき かんのん」 サンニー と読んじゃいます。サターンユーザーには「32アイドル サタンちゃん」 の絵を描いていた人と言えば、お判かりになるかもしれません。 主人公「華原ふぶき」は、ごくフツーの女子中学生。それが、ゲームマ ニアの友達(これがハンパじゃない上に、やけにオールドゲームに詳しい) につき合っているうち、史上最強のゲームチャンピオンへの道を爆進する ライバル 事になります。数々の強敵達と戦い、苦難の試練を乗り越え、夢と友情を 熱く語り合うのです。 なんてな。 基本的にギャグ漫画です。ゲーム好きにしか解らない小ネタをバンバン 挟んで、唐突かつ行き当たりばったりにストーリーは展開して行きます。 だがしかし、文句無しに面白い。その鍵の一つは、コミックの題材とし てゲームを描く時の視点。即ち、主人公が「ゲームキャラクター」でなく 「ゲームプレイヤー」である事。「ゲームマンガは、本来こうあるべき」 だと吉崎先生は語ります。 登場人物はみんな可愛いし、よく動く。眺めていると、不思議な安心感 の得られる絵柄であります。 それから、これは書いておかねば。 ぱんちら。 普段はフツーの女の子である主人公・ふぶきが、 必殺技「一撃でクリアーッ!」を出すためには、 ゲームスピリットを「覚醒」しなくてはなりません。 どうやって? パンチラです。 パンツにバックプリントされた、「パックマン」を露呈するのです。 どうして? だって、そういう設定なんだもの。仕方ないよ。 そういう訳で、この作品にはパンチラ(否、パンモロ)がしょっちゅう あります。覚悟して下さい。 ただ、イヤらしくもなければ、バカっぽくもないのです。 ただひたすらカワイイだけ。 この作品は、もともと「月刊ファミ通Wave」と言う雑誌の1998 年9月号〜2000年3月号に連載されていた物だそうで、その所為か、 コミック本としての体裁が少々変わっています。縦18センチぐらい、横 15センチぐらいという訳で、普通のコミックに比べ横幅が割と広い。 また、左開きなんですね。左からページをめくって読み進むわけです。 当然ページは左上から右下に向かって読み進みます。普通のコミックと逆。 でも、読み始めてしまえば違和感はありません。 それに、変わっていると言えばまだ有ります。 ぐらびあ。 「実写版ふぶき」のカラーグラビア(?)ページが有ります。加えて、 カバー(このデザインもおしゃれです)を外すと、そこにもグラビアが。 ・・・・ 「街を行く、ある日のふぶきさん」といった感じの、何となくせつなさの 漂う情景を切り取った、ベストショットが揃っています。 実写版ですが、顔は写っていません。 顔は写っていませんが、ぱんつ・・・ なんでもありません。話を進めます。 それに、コラム。 全18話+α、その全てに、内容に関係したゲームコラムが付いていま す。そもそもコミックの内容がアツいだけに、このコラムもアツい。 タイトルだけ抜粋してみると、 「往年の名機はいま」 「すべての横シューはドラマを内包する」 「ゲームキャラクターの老舗・ナムコ」 「コンピューターゲームの父、ノラン・ブッシュネルとその息子ポン」 「特殊筐体にあらしイズムを見た!?」 などなど。タイトルも凄いけど、内容も読み易く面白いのです。 そうそう、「ゲームセンターあらし」と言えば、巻末に すがやみつる 先生との対談まで収録されています。 「まるで奇跡みたいな本だなと思うのです」 吉崎先生は、最初にそう書かれています。 「パーフェクトな本でした」 私は、アンケート葉書にそう書きました。 [ 愛知県:永井そりく(最近、携帯ゲーム機が欲しくなった)]
・ ・ ・
〜「おまけ」と云う名の後日談 〜 何だか、諸評と云うより宣伝ですね、これは。 どうでも良いですけど、アスキーのコミックは手に入れ難いです。私 の地元だけかも知れませんが。 このコミック、本当にお薦めですので、見つけたら買っておいた方が 良いかと。大きなお世話ですか? ゲーム特集と云う事で、ご紹介させて頂きました。 さて、上の諸評を打ち込んだ後、しばらくして念願の携帯ゲーム機を 購入しました。ワンダースワンです。カラーはフローズンミントと云う ツートンのスケルトンカラーです。 ゲーム専門店では、「ワンダースワン ソフト・特価セール」をやって いて、何本かを安く揃えることが出来ました。しかし、この特価セール、 末期のサターン市場を思わせて、ちょっと物悲しいものが有りました。 登場して、まだ1年ちょっとのハードだと云うのに。思わず「この機会 を逃したら、2度と手に入らないかも」的な気分になり、あれもこれも と買い込んでしまったではないですか。何?それが手口?どかーん。 それにしても、なぜ今になって携帯ゲームなのか? ・・・・ 自分でも良く分かりません。あの、手の平の上でのちまちまとした、 プレイ感覚がもたらすであろう、懐古的感覚でしょうか? ワンダースワンで遊んでいると、どのソフトも「ああ、頑張ってるな コイツ」と思わせる、いじらしさがあります。それが、良いのかも知れ ません。 ところで、私は最近のパソコンゲームの、未完成品(例えば間抜けな バグ入り)売り付けーの、ネット上でフォローしーのと云った図式が嫌 いです。家庭用ゲーム機にHDが乗るようになったら、家庭用ゲーム機 フツー のソフトもそういう図式が常識になって行くのでしょうか? 私は、完成品にお金を払いたいです。 完成品で安心して遊びたいです。 ごめんなさい。めんどくさいこと、キライです。 なんと言うか、そんな話に無縁な所に携帯ゲーム機はあります。 ただ、ゲーム機にネット機能が有るのは悪い事ではありません。 そんな訳で、携帯ゲーム機を手に入れた私ですが、悩みがひとつ。仲 間が欲しーのです。ワンダースワンをつないで、対戦とかデータ交換と かしたいのです。 ああ、したいったらしたいっ。
(EOF)